
第1章語り継ぐ美
~時を超えて美を語る言葉・
語らせる作品
1976年4月、日曜美術館50年の歴史は「私と○○」というタイトルで幕を開けました。大江健三郎が語るフランシス・ベーコン、舟越保武が伝える松本竣介、モデルとなった矢内原伊作が伝えるアルベルト・ジャコメッティなど、各界の第一線で活躍するゲストの言葉と古今東西の作家と作品をご紹介します。
ポール・セザンヌ
「水浴図というのは自然の中にあるものを再現したような絵であるどころか、彼が求めていたあるいは心の中でみていたあるファンタスティックな世界の絵画的実現だ。」
吉田秀和(音楽評論家)
1996年12月1日放送 「セザンヌはなぜ水浴図を描いたか」
ポール・セザンヌ《水浴》 1883–87年 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館
オーギュスト・ロダン
「ロダンの技術はすごいが、イメージ力というのか、彫刻に物語を組みいれていくときの発想力がすごいなと思う。」
舟越桂(彫刻家)
2009年6月14日放送 「ロダン 新たな生命の探求者」
オーギュスト・ロダン《考える人》 1880年 静岡県立美術館
エドヴァルド・ムンク
「 非常にややこしいんだけども、そういう肉親の死をね、美にまで高めていくという。彼の絵の中にはずっと、そういうハンディを背負ったものを常に美に昇華させていくという」
藤原新也(写真家・文筆家・画家)
2018年12月2日放送 「ムンク 自我の叫び」
エドヴァルド・ムンク 《マドンナ》 1895-1902年 群馬県立近代美術館
大阪展(限定/後期)にて展示
高橋由一
「 江戸的な審美眼というものが、この画面の中に残っておりまして。新しくなろうとする意思と、古いものとが画面の中で相争っている、それがこの画面に一種の緊張を与えてるんだと思いますね。」
芳賀徹(文学者、比較文学者)
1977年3月6日放送 「私と高橋由一」
高橋由一 《花魁》 重要文化財 1872年 東京藝術大学
大阪展(限定)にて展示
石田徹也
「幼い頃の「未来に対して、人生に対して不安だ」みたいな、みんなが持っているそういうモノを彼が一身に引き受けて絵にしていたかのようなイメージを僕は受けましたね。」
大槻ケンヂ(ロックミュージシャン)
2006年9月17日放送 「悲しみのキャンバス 石田徹也の世界」
石田徹也《飛べなくなった人》 1996年 静岡県立美術館
第2章日本美の再発見
古代から明治まで
ある時代、ある人の視点で再発見された瞬間に輝く美があります。美術界にしばしば訪れるブームの中で、日曜美術館も時代の息吹をくみとり、"日美なりの"美の再発見を届けてきました。村上隆、大野一雄、井浦新らが紡ぐ言葉で、縄文土器・土偶、伊藤若冲、曾我蕭白、葛飾北斎など、日本美術の名品が再び輝きだします。
月岡芳年
「弁慶の足元、ドキッとする。ポーズも普通の人は描かない、ドラマチックですよね。今生きていたら映画とか漫画とか作っていそうだな。」
楳図かずお(漫画家・芸術家)
1999年5月16日放送 「最後の浮世絵師 月岡芳年 怪奇の美」
月岡芳年《義経記五條橋之図》 1881年 横浜美術館(加藤栄一氏寄贈)
3会場で展示 大阪展では太田記念館所蔵の同名作品を展示
曾我蕭白
「蕭白は私の大先生。なぜなら非常に粗放、あらっぽくみえるけど非常に繊細。目を見ても繊細極まる目だけど、普通の目じゃなくて、浮世をのぞき見しているような。宇宙の構造というか私の構造というか、そういうものとの出会いのような感じで、極まりなく感動をいつも受けさせてもらっている。先生のおかげですよ。」
大野一雄(舞踏家)
1997年2月16日放送 「奇想の魂 大野一雄・蕭白を舞う」
曾我蕭白《柳下鬼女図屛風》 江戸時代・18世紀 東京藝術大学
東京展(後期)、静岡展(後期)、大阪展(前期/11月8日まで)にて展示
伊藤若冲
「何かこう心の皮が薄いものね、薄いままさらけ出しちゃうような、でもさらけ出さないと自分が生きている気がしないっていう感じ。」
村上隆(アーティスト)
2000年11月12日放送 「奇は美なり ~若冲・細密の世界~」
伊藤若冲《石燈籠図屏風》 江戸時代・18世紀 京都国立博物館
大阪展(限定)、右隻(前期)、左隻(後期)にて展示
第3章工芸
伝統と革新
日曜美術館がこの50年の間、毎年欠かさずこつこつと発信し続けてきた「工芸」の世界。正倉院の名品から始まり、伝統を継承し対話を重ねる人間国宝の技、古の技を超えようと精進する超絶技巧まで、 世界に誇る日本の優れた工芸をご堪能ください。
現代の超絶技巧
塩見亮介
「明治工芸や江戸の名工も、すごい人たちがいっぱいいて、過去の人とも常に勝負してる。未来にもすごい人たちが出てくるだろう。そういう人たちとも勝負してる。」
2023年5月14日放送 「現代の超絶技巧2」
塩見亮介《白銀角鴟面附白絲縅兜袖》 2022年 個人蔵
明治の超絶技巧
安藤緑山
「抜群にかっこいい。曲面に正確な線をいれるのはかなり難しい。だからその筋の正確さとかずっとみていたいぐらいすごい。」
前原冬樹(彫刻家)
2014年5月11日放送 「明治の工芸 知られざる超絶技巧」
安藤緑山《竹の子に梅 牙彫置物》 大正-昭和初期 京都国立近代美術館
撮影:木村羊一
第4章災いと美
50年の歩みのなかでは、疫病や自然災害、繰り返される戦争、災禍に作家が向き合うことで生まれた"美(アート)"の存在もありました。災いと向き合い、理解し、受け止めるために美が果たしてきた役割とその力を考えます。あわせてパブロ・ピカソの傑作《ゲルニカ》を高精細映像でご紹介します。
パブロ・ピカソ
「全部がそれに向かって殺されている、悲しんでいる、叫んでいる、馬までが絶望している。ここにあるのはすごいコンポジション。非常にモダンであると同時に、古典的な要素ももっていて、ピタッと締まっている。」
岡本太郎(画家)
1980年2月3日放送 「私とピカソ」
原寸大高精細映像で展示
[映像展示]パブロ・ピカソ《ゲルニカ》 1937年 ©2026 - Succession Pablo Picasso - BCF (JAPAN) 提供:Bridgeman Images/アフロ
石内都
「力があるんですよ。遺品たちは。何か持っている。歴史の瞬間だったり、そこにいた事実とか。」
石内都(写真家)
2008年7月27日放送 「シリーズ・創作の現場ドキュメント① 写真家・石内都「ひろしま」との対話」
石内都《ひろしま #9 donor: Ogawa, R.》 2007年 作家蔵 © Ishiuchi Miyako 「ひろしま#9」 donor:Ogawa, R. Courtesy of The Third Gallery Aya
鴻池朋子
「イリュージョンを言語や数値にすり替えずに、日々出会うものたちをしっかりと手探りして、
遊んで、粛々と自分の仕事をしていこう。」
鴻池朋子(現代アーティスト)
2021年3月7日放送 「震災10年 アーティストたちの想像力」
鴻池朋子《皮緞帳》 2015年 高橋龍太郎コレクション
大阪展(限定)にて展示
石内都《ひろしま #9 donor: Ogawa, R.》
2007年 作家蔵 © Ishiuchi Miyako 「ひろしま#9」 donor:Ogawa, R. Courtesy of The Third Gallery Aya
第5章作家の生き様と美
~アトリエ&創作の現場
作家が最も長い時間を過ごすアトリエ。そこで1つの作品が、作家の身体を通して生まれ出ようとする瞬間を目の当たりにする醍醐味は格別です。放送時の映像とともに制作の過程で作家が語る言葉に耳を傾けながら、創造という行為の深淵を感じてみてください。
岡本太郎
「職業なんてないんだと。人間だと。誰だって人間だから、芸術だと。芸術家じゃなくて、芸術だと。セクションのなかに入ってることが芸術じゃないんですよ。全人間的に生きることが芸術なんです。」
1981年3月8日放送 「アトリエ訪問 岡本太郎」
岡本太郎《遭遇》1981年 川崎市岡本太郎美術館
柚木沙弥郎
「うれしけりゃいいんだよ、なんでもおもしろいなって思って、たまらなく。天気がよくて、ぱーっとした日が日曜日だってごらんなさい、だれでもこうなんでも愉快じゃない。そういう状態であれば、なんでも新鮮にみえるでしょ。」
2018年6月3日放送 「うれしくなくちゃ生まれない 染色家 柚木沙弥郎の模様人生」
柚木沙弥郎《いのちの樹》 2018年 松本市美術館
李禹煥
「ほんの最小限の行為が最大限の大きな世界との響きあいになることに望みをかけるわけです。」
2005年12月4日放送 「出会いの芸術を求めて ~李禹煥 半世紀の挑戦~」
李禹煥《照応》 1998年 静岡県立美術館
舟越桂
「人間全般にとってある意味で初めてのようなものを探していくべきだと思うんです。少なくとも新鮮なものを作る。それがもしかしたら、全ての人がはじめての存在なんだという証明につながればいいかな。」
2003年5月25日放送 「語りかけるまなざし ~彫刻家・舟越桂の世界~」
舟越桂《水に映る月蝕》 2003年 個人蔵 © Katsura Funakoshi, Courtesy of Nishimura Gallery
[東京展]前期:3月28日(土)~5月10日(日) 後期:5月12日(火)~6月21日(日)
[静岡展]前期:7月18日(土)~8月23日(日) 後期:8月25日(火)~9月27日(日)
[大阪展]前期:10月10日(土)~11月15日(日) 後期:11月17日(火)~12月20日(日)






