第1章語り継ぐ美
~時を越えて美を語る言葉・
語らせる作品

1976年4月、日曜美術館50年の歴史は「私と○○」というタイトルで幕を開けました。大江健三郎が語るフランシス・ベーコン、舟越保武が伝える松本竣介、モデルとなった矢内原伊作が伝えるアルベルト・ジャコメッティなど、各界の第一線で活躍するゲストの言葉と古今東西の作家と作品をご紹介します。

ポール・セザンヌ

水浴図というのは自然の中にあるものを再現したような絵であるどころか、彼が求めていたあるいは心の中でみていたあるファンタスティックな世界の絵画的実現だ。
吉田秀和(音楽評論家)

NHK日曜美術館 1996年12月1日放送 「セザンヌはなぜ水浴図を描いたか」


ポール・セザンヌ《水浴》 1883–87年 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵

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ポール・セザンヌ《水浴》

1883–87年 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵

第2章日本美の再発見
古代から明治まで

ある時代、ある人の視点で再発見された瞬間に輝く美があります。美術界にしばしば訪れるブームの中で、日曜美術館も時代の息吹をくみとり、"日美なりの"美の再発見を届けてきました。村上隆、大野一雄、井浦新らが紡ぐ言葉で、縄文土器・土偶、伊藤若冲、曾我蕭白、葛飾北斎など、日本美術の名品が再び輝きだします。

伊藤若冲

世界を全部自分の手元に捕まえたいという欲求が投影されてる。リアルな自分と等身 大の世の中を自分の中に取り込みたいという心の平静の境地がこの作品にある。
村上隆(アーティスト)

NHK日曜美術館 2000年11月12日放送 「奇は美なり 若冲・細密の世界」


重要文化財 伊藤若冲《蓮池図》 1789年 大阪·西福寺蔵 【後期展示:5月12日(火)~6月21日(日)】

月岡芳年

弁慶の足元、ドキッとする。ポーズも普通の人は描かない、ドラマチックですよね。今生きていたら映画とか漫画とか作っていそうだな。
楳図かずお(漫画家・芸術家)

NHK日曜美術館 1999年5月16日放送 「最後の浮世絵師 月岡芳年 怪奇の美」


月岡芳年《義経記五條橋之図》 1881年 横浜美術館蔵(加藤栄一氏寄贈)

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重要文化財 伊藤若冲《蓮池図》

1789年 大阪·西福寺蔵 【後期展示:5月12日(火)~6月21日(日)】

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月岡芳年《義経記五條橋之図》

1881年 横浜美術館蔵

第3章工芸
伝統と革新

日曜美術館がこの50年の間、毎年欠かさずこつこつと発信し続けてきた「工芸」の世界。正倉院の名品から始まり、伝統を継承し対話を重ねる人間国宝の技、古の技を超えようと精進する超絶技巧まで、 世界に誇る日本の優れた工芸をご堪能ください。

人間国宝

室瀬和美

作品の中に1つの空気を流してみよう、そういう構想が自分の心の中にあるんです。

NHK日曜美術館 1985年9月29日放送 「美と技と用 第32回日本伝統工芸展から」


室瀬和美《蒔絵飾箱「麦穂」》 1985年 個人蔵

現代の超絶技巧

塩見亮介

明治工芸や江戸の名工も、すごい人たちがいっぱいいて、過去の人とも常に勝負してる。未来にもすごい人たちが出てくるだろう。そういう人たちとも勝負してる。

NHK日曜美術館 2023年5月14日放送 「現代の超絶技巧2」


塩見亮介《白銀角鴟面附白絲縅兜袖》 2022年 個人蔵

明治の超絶技巧

安藤緑山

抜群にかっこいい。曲面に正確な線をいれるのはかなり難しい。だからその筋の正確さとかずっとみていたいぐらいすごい。
前原冬樹(彫刻家)

NHK日曜美術館 2014年5月11日放送 「明治の工芸 知られざる超絶技巧」


安藤緑山《竹の子に梅 牙彫置物》 1912-1940年 京都国立近代美術館蔵
撮影:木村羊一

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室瀬和美《蒔絵飾箱「麦穂」》

1985年 個人蔵

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塩見亮介《白銀角鴟面附白絲縅兜袖》

2022年 個人蔵

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安藤緑山《竹の子に梅 牙彫置物》

1912-1940年 京都国立近代美術館蔵 撮影:木村羊一

第4章災いと美

50年の歩みのなかでは、疫病や自然災害、繰り返される戦争、災禍に作家が向き合うことで生まれた"美(アート)"の存在もありました。災いと向き合い、理解し、受け止めるために美が果たしてきた役割とその力を考えます。あわせてパブロ・ピカソの傑作「ゲルニカ」を原寸大高精細映像で展示します。

アマビエ

健康に楽しく周りの人と出会い言葉を交わし合いながら美術について語り、笑ったりすることがどれほど人間にとって本質的な活動かと強く感じられる。
小野正嗣(作家)

NHK日曜美術館 2020年4月19日放送 「疫病をこえて 人間は何を描いてきたか」


《肥後国海中の怪》(部分)1846年 京都大学附属図書館蔵 【前期展示:3月28日(土)~5月10日(日)】

https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000122/explanation/amabie

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《肥後国海中の怪》(部分)

1846年 京都大学附属図書館蔵 【前期展示:3月28日(土)~5月10日(日)】

第5章作家の生き様と美
~アトリエ&創作の現場

作家が最も長い時間を過ごすアトリエ。そこで1つの作品が、作家の身体を通して生まれ出ようとする瞬間を目の当たりにする醍醐味は格別です。放送時の映像とともに制作の過程で作家が語る言葉に耳を傾けながら、創造という行為の深淵を感じてみてください。

柚木沙弥郎

うれしけりゃいいんだよ、なんでもおもしろいなって思って、たまらなく。天気がよくて、ぱーっとした日が日曜日だってごらんなさい、だれでもこうなんでも愉快じゃない。そういう状態であれば、なんでも新鮮にみえるでしょ。

NHK日曜美術館 2018年6月3日放送 「うれしくなくちゃ生まれない染色家 柚木沙弥郎の模様人生」


柚木沙弥郎《いのちの樹》 2018年 松本市美術館蔵

李禹煥

ほんの最小限の行為が最大限の大きな世界との響きあいになることに望みをかけるわけです。

NHK日曜美術館 2005年12月4日放送 「出会いの芸術を求めて ~李禹煥 半世紀の挑戦~」


李禹煥《照応》 1998年 静岡県立美術館蔵

舟越桂

人間全般にとってある意味で初めてのようなものを探していくべきだと思うんです。少なくとも新鮮なものを作る。それがもしかしたら、全ての人がはじめての存在なんだという証明につながればいいかな。

NHK日曜美術館 2003年5月25日放送 「語りかけるまなざし ~彫刻家・舟越桂の世界~」


舟越桂《水に映る月蝕》 2003年 個人蔵 © Katsura Funakoshi, Courtesy of Nishimura Gallery

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柚木沙弥郎《いのちの樹》

2018年 松本市美術館蔵

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李禹煥《照応》

1998年 静岡県立美術館蔵

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舟越桂《水に映る月蝕》

2003年 個人蔵 © Katsura Funakoshi, Courtesy of Nishimura Gallery

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