
アーティスト・井上涼さん描きおろしイラスト
本展の鑑賞ガイドとして、小学校高学年~高校生を対象に制作しました。
*井上涼さんとのコラボレーションについてはこちら
番組に登場した作品と著名人の印象的な言葉を、井上涼さんのイラストとともに紹介します。会場で配布するほか、下記よりダウンロードができます。
展覧会オリジナルジュニアガイド(印刷用)はこちらダウンロード/PDF/約4.97MB
「放送開始50年特集"わたし"の日曜美術館」スペシャルトーク
今年2026年4月、放送開始50年を迎えるNHK「日曜美術館」。これを記念して、歴代の司会者の方々―檀ふみさん、井浦新さん、坂本美雨さんが、番組のエピソードや美術に対する思いを語る取材会が行われました。
番組に対する思い
檀
私が番組の司会をさせていただいたのは2006年4月から3年間と、もう20年も前になるのですが、改めて良い番組に参加できたなと思っています。とくに番組を通して、日本画の堀文子先生にお会いできたことは人生の宝物となりました。先生が2019年に他界されたことはとても残念でしたけれど、晩年、週末にうかがってご一緒させていただいたことをとても懐かしく思い出しました。
井浦
僕は2013年の4月から5年間、司会を務めたのですが、その間に番組が40周年を迎えたことを覚えています。今回は50周年ということで、50年間続いた番組の力強さや重みを感じています。
坂本
私は現在司会を務めさせていただいています。美術に対して深い知識はないので、本当に毎回が学びであり、出会いでもあるのですが、スタッフの皆さんは、私のそういうフレッシュな感覚を大切にしてくださりながら番組を作っていらっしゃいます。私もそれに甘えないように務めておりますが、今回改めて、自分は50年という大きな川の流れのひとつにいるんだと実感して、責任や重みを感じました。番組をつくるためにスタッフの方たちが出演者以上に長い時間をかけていることも知っているので、これが50年間続いたというのは本当にすごいなと。みんなで繋いできたこの大きな川は、本当に尊いなあと噛み締めています。
番組を通して、一番印象に残った芸術家や作品を教えてください
檀
先ほども言いましたけれど、やはり堀文子さんです。最初に堀さんの資料をいただいて読み込んだ時に、なんとスケールの大きな方なのだろうと、女性としてというよりも、日本にこれだけのスケールの大きな方がいたことが誇らしくて、お会いするのをワクワクしながら待っていたのですが、いざアトリエにうかがってお話をしたら、すっかり恋に落ちてしまいまして。その場で「すみません、私、先生の弟子になります、弟子にしてください!」と申しました。
堀さんのモットーは「群れない、慣れない、頼らない」ということで、弟子も取らず、弟子にもならないと決められていたので、非常に困っていらしたのですが、晩年には私が堀さんのお宅に押しかけて、いろいろお話ししていただきました。森羅万象、あらゆるものを描いた方でしたが、自らのモットー通り、自分の作風に慣れようとせず、どんなに成功してもどんなに売れても、一度壊してまた一から作り直すということを最後まで繰り返したところが、堀さんの素晴らしさだったと思います。
井浦
僕は、素敵な思い出がたくさんありすぎて、なかなかひとつには絞れないのですが、古代のもの、たとえば縄文時代や弥生時代の美術、古墳などがテーマの回は、とても興奮しました。とくに1万年前の縄文時代の土器や土偶など、日本の美の源流はこういうものだったということを知った時には、大変な衝撃を受けました。1万年前の、純粋に命をつなぐ生活の品々や祈りの道具、そこに刻まれた文様の意味などが、今の自分の心にもしっかり伝わるような造形を持っていることがとても衝撃的で、縄文や古代の美をテーマにした回は特に印象に残っています。
坂本
私は、石川県の木工作家の川北良造さんにお会いした時、アトリエを訪問して制作の様子などを見せていただいたのですが、その柔らかいお人柄に本当に心を打たれて、大好きになりました。アトリエの外には、ご自身が50年前に植えた柿の木があり、今は大きく育って作品の素材にもされているのですが、「この木がこんなに大きくなるまで自分は生かしていただいた」と言われたことを隣で聞いて、本当に涙が出てしまいました。私たちはすぐ結果を求めてしまいがちですが、川北さんはなんて大きな時間の流れの中で生きているのかと感動したことは、絶対に忘れたくない思い出です。
ご自身の作品の楽しみ方を教えてください
檀
自分が家に飾るならどれがいいかな? 自分の作品はどれかな? と思って、それを探しながら鑑賞しています。
井浦
僕も同じです。どこに飾ろうかな、これ欲しいな、好きだな、という楽しみ方が一番素敵だなと思います。知識は後からついてくると思っているので、素直にいいなと、心が動いたことをちゃんと感じて、それを友達などに伝えていく。そういう行為が、美術を鑑賞したり楽しむ最大の醍醐味なのではないかなと。知識を入れず、何も知らないで状態で見て色々と感じることが、一番楽しいことなのではないかと思います。
坂本
私も知識がないままにどんどん見るタイプですが、作品横のプレートに書いてある制作年は気にしているかもしれません。この絵はこの人が何歳の時に描いたのかな、とか、10代の時からこんなすごい絵を描いてたんだ、とか。20代、30代、40代と作品の変遷を辿っていくと色々な想像が掻き立てられますし、自分の20代の時はどうだったかしらと自らを顧みる機会になると思います。
「日曜美術館」のような番組を経験することによって、生き方や考え方、視点など変わったこと、また新たに得られたものがありましたら教えてください
檀
この番組で「日常にアートを、美しいものを置きなさい」と言われたことがありまして、それを聞いてから、棚の奥に大事にしまっていたようなお茶碗とか、そういったものを普段使いするようになりました。「高価だからもったいない」というのではなく、日常にアートを置くことで、日々を豊かに過ごすということをとても意識するようになりました。
井浦
番組を通して教えてもらったものはたくさんあるのですが、「日曜美術館」に出演していた時は、毎週作家の方のお宅にうかがったり、作品について語り合ったり、とにかくいろんな方と会って、お話しをうかがって、自分がどう感じたのかを伝えていく、ということがルーティーンになっていました。そういう生活を5年間続けさせていただいたことで、なんて人間は素晴らしいんだろう、とか、人間がつくるものってどうしてこんなに豊かなのだろう、と感動させられましたし、作品を見て感じることが僕人身にこんなにも潤いを与えてくれるんだということにも気づかされました。番組を通して、いろんな作家さんの人生や作品の多様性を知ることで、人間の豊かさのようなものをたくさん教えていただいたなあ、と思っています。
坂本
アーティストに対する尊敬が本当に高まりました。私たちは日曜美術館のような番組で、時代を超えて優れたアーティストを知ることができるけれど、きっと自分の身近にも、まだ評価はされていないけれど、素晴らしいアーティストや美しいものがたくさんあるのだろうな、と視野が広がりました。それから、私は16歳の時から歌を歌い始めて他の仕事をしたことがなかったので、もっと人の役に立つ仕事をすべきなのではないかと悩んだことがあったんです。でも「日曜美術館」は、どんな時代でもアートは生まれるし、どんな災いの中でも人は美を必要としてきたということを毎回教えてくれました。それによって、自分の作っている音楽や歌っている曲が誰かの役に立っているかもしれない、と考えられるようになり、自信や感謝につながりました。それは「日曜美術館」の司会を始めた頃には考えも及ばなかった効果だったと思います。
登壇者プロフィール/「日曜美術館」司会歴
檀ふみ:俳優、エッセイスト。1954年東京都出身/2006年4月~2009年3月
井浦新:俳優。1974年東京都出身/2013年4月~2018年3月
坂本美雨:歌手。1980年東京都出身/2024年4月~
- *この収録の様子は、3月29日(日)午前9時~9時59分(再放送:4月5日(日)午後8時~8時59分)の『日曜美術館 放送開始50年特集「"わたし"の日曜美術館」』で放送予定。
本展の割引クーポン付しおりを、都内の各書店等で配布いたします
過去放送で語られた出演者の印象的な言葉とあわせて作品をご紹介! 番組の記憶とともに、作品の魅力をより深く味わっていただけます。
配布期間 |
順次配布中
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配布場所 |
アトレ上野 三省堂書店、エキュート上野 ブックコンパス、銀座 蔦屋書店 ほか |
アーティスト・井上涼さんによる描きおろしイラスト公開!
本作に登場する作品をモチーフに、アーティスト・井上涼さんが特製イラストを描きおろし!
井上 涼
アーティスト。1983年兵庫県生まれ。2013年より世界の美術を歌とアニメで紹介するNHK Eテレの美術番組「びじゅチューン!」で作詞、作曲、歌、アニメを担当。2016年から2024年まで毎日小学生新聞でまんが「井上涼の美術でござる」を連載。全国各地の美術館で展覧会を行っている。ほかの作品に「赤ずきんと健康」「確信」などがある。
イラストのモチーフとなった作品:ポール・セザンヌ《水浴》 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵、石田徹也《飛べなくなった人》 静岡県立美術館蔵、《縄文土器 深鉢 火焔型土器》 新潟県長岡市岩野原遺跡出土 國學院大學博物館蔵、安藤緑山《竹の子に梅 牙彫置物》 京都国立近代美術館蔵、月岡芳年《義経記五條橋之図》 横浜美術館蔵(加藤栄一氏寄贈)、曾我蕭白《柳下鬼女図屛風》 東京藝術大学蔵、塩見亮介《白銀角鴟面附白絲縅兜袖》 個人蔵、エドヴァルド・ムンク《マイスナー嬢の肖像》 ひろしま美術館蔵、アルベルト・ジャコメッティ《ヤナイハラⅠ》 国立国際美術館蔵、作者不詳《肥後国海中の怪》 京都大学附属図書館蔵
アーティスト・井上涼さん描きおろしイラスト
展覧会オリジナルステッカーを数量限定配布します
*井上涼さんとのコラボレーションについてはこちら
- ※画像はイメージです。
《来館者先着 ホログラムステッカー》
4月14日(火)~24日(金)の期間、「NHK日曜美術館50年展」会場にご来場の先着200名様にプレゼント。
配布期間 |
2026年4月14日(火)~24日(金) |
配布枚数 |
各日先着200名様 |
- ※ご入場お一人につき1枚をお渡しします。
- ※配布は各日数量に達し次第終了します。
- ※転売目的でのご来場はお断りいたします。





